■第三章 実験結果

熱量計の100mlの蒸留水を入れ、電流約1.5A、電圧約4Vにあわせて、水当量を測定したところ、温度と時間の変化は表1のようでした。

表1 温度と時間の変化

S (sec)

T (℃)

E (V)

I (A)

0

17.5

3.8

1.5

30

17.8

3.9

1.5

60

18.1

3.9

1.5

90

18.4

3.9

1.5

120

18.7

3.9

1.5

150

18.9

3.9

1.5

180

19.2

3.9

1.5

210

19.5

3.9

1.5

この表データを温度と時間の変化でプロットしたのが図2です。電圧と電流の変化は図3のようであり、ほぼ一定であった。

図2 温度と時間の変化

図3 使用した電圧と電流の変化

 

この結果から水当量を求める。

ΔT=T2−Tl=2.00 ℃

S=t2−tl=210 sec

E=3.88 V

I=1.50 A

W=E・I・S/△T [J/deg]

= 610.31 = 610[J/deg]

1cal=4.184 J より、

610[J/deg]=146 [cal/deg]

熱量計に水をX ml入れ、次に、DMFを(100−X)ml入れます。かき混ぜ棒で攪拌しながら30秒毎に温度を読み、測定した結果、次のような表2になった。

DMFの量を10,25,50,75,90 vol%と変えました。

 表2 各割合で混合した時の温度変化(℃)

S (sec)

DMF 10%

DMF 25%

DMF 50%

DMF 75%

DMF 90%

0

16.1

16.1

16.2

17.85

17.7

30

20.1

26.05

24.1

34.2

25.9

60

20.0

25.7

33.6

33.7

25.6

90

19.95

25.6

33.28

33.43

25.4

120

19.9

25.43

32.96

33.0

25.2

150

19.85

25.3

32.58

32.0

25.04

180

19.8

25.2

32.4

32.4

24.9

210

19.76

25.08

32.15

32.13

24.8

240

19.75

24.95

31.95

31.88

24.65

270

19.7

24.85

31.72

31.7

24.53

300

19.7

24.75

31.5

31.46

24.4

330

19.68

24.64

31.35

31.25

24.35

360

19.63

24.56

31.2

31.1

24.25

水にDMFを加えると最初の30秒ぐらいで一気に温度が上昇し、その後徐々に下降していった。それぞれの混合割合%のときのDMF希釈熱を測定した結果を図4に示す。

図4 各割合(vol%)で混合した時の温度変化(℃)

 

各割合で混合した時の温度変化からΔTを求め、式(1)から希釈熱を算出したのが表3です。

希釈度とは、溶質1molを溶かしている溶液のリットル数で表されます。

表3 希釈熱の算出

DMF (vol%)

ΔT (℃)

ΔH (cal/mol)

希釈度 (-)

希釈熱 Q(cal)

10

4.00

580

0.84

4880

25

9.95

1450

0.33

4860

50

17.90

2610

0.17

4370

75

16.35

2390

0.11

2660

90

8.20

1200

0.09

1110

 

図5 DMF濃度と希釈熱の関係

図6 DMFの希釈度と希釈熱の関係

 

この結果から、DMFの水への無限大希釈熱は4.89 (kcal)でした。