■第一章 目的と理論 不揮発性物質の分子量測定に、凝固点降下法が良く用いられます。希薄な物質が溶解した溶液はその溶質のモル濃度に比例して溶液の蒸気圧が降下し、凝固点も降下します。この実験では、ベンゼンを溶媒として、ナフタリンの分子量を凝固点降下法で求めます。
溶媒に不揮発性物質を溶かすと、溶媒の凝固点が降下します。
ΔT = Kf×mB
ただし、ΔTは凝固点降下量(℃)、Kfは溶媒のモル凝固点降下定数(ベンゼンのは5.12)、mBはナフタリンの重量モル濃度です。
ベンゼンAの質量をWA、ナフタリンBのをWBとし、それらの分子量をMA、MBとすると、次の式からMBが求められます。
MB = (1000・Kf/ΔT)・(WB/WA)
この式から、分子量MBはWB/WAとのグラフの外挿による切片から求められます。