■第一章 目的と理論 安息香酸が水に溶解するときの溶解度を種々の温度で測定し、ファント・フォッフ(van't Hoff)の理論より溶解熱を求める。
安息香酸はほとんど蒸発せず、固相と液相との異相平衡がこの実験の課題である。相の数は成分が水と安息香酸の2つであり、
F = C - P + 2 = 2
となり、大気圧下での実験であり、自由度は1となる。それより、温度が決定すれば溶解する濃度は決まってくる。
van't Hoffの理論より、
ln s = -ΔH/R・1/T + C
ただし、sは溶解度(g/100gH2O)、ΔHは溶解熱(cal/mol)、Rは気体定数(1.987 cal/deg.mol)、Tは絶対温度(K)、Cは定数である。