■第ニ章 実験方法

 水蒸気発生器、丸底蒸留フラスコ、冷却器およびメスフラスコ(三角フラスコでもよい)を図1のように配置する。

 特に、蒸留温度が100℃弱であり、高温であるために、温度補正が必ず行わなければならない。図1のように蒸留温度測定の温度計にもう一つの温度計を付けて補正する。

 

図1 水蒸気蒸留装置

        (文献より引用) 

 フラスコを傾けるのは、沸騰するとき液滴が蒸留口にとんでくるのを避けるためである。水蒸気を吹き込むガラス管の先端部分が蒸留フラスコの底から0.6cmのところまで差し込んでおく。

 約120mlのニトロベンゼンを蒸留フラスコに入れ、70℃付近までバーナーで加温する。そこで加温を止めて、水蒸気をその底の部分に入れるが、液の温度が上がってくるとニトロベンゼンと水が共沸してその蒸留温度が一定になる。

 このとき蒸留フラスコのくびの部分で凝結が起こるようであったら、その部分を布片で巻いて保温するか、フラスコの下から蒸気または弱い炎で加熱するほうがよい。なお留出量が少なすぎる場合には水蒸気の発生を強める。初めに出てくる留出部分の約10mlは三角フラスコにとって、その後の部分を他の共栓付き三角フラスコに100mlとる。それを分液漏斗にかけ、水とニトロベンゼンを分けて、それらの重量を秤量する。