■第一章 目的と理論

 コウラッシュ・ブリッジ(Kohlrausch bridge)からなる電導度測定装置を用いて、酢酸の当量電導度を測定し、その電離定数を求める。

 電解質は水溶液中で陽イオンと陰イオンに電離し、電導性を示す。

 この実験では、弱電解質の酢酸を用いると、電離式は次のようになる。

   CH3COOH ⇔ CH3COO- + H+

 そのときの電離定数Kは次式のようになる。

   K = [CH3COO-][H+]/[CH3COOH]

 いま、酢酸の初濃度をCとすると、その電離度αにおいて次の式が成立する。

   K = α2/(1-α)×C

 そこで、濃度Cを希釈度v(単位l)に置き換えると次式になる。

   C = 1/v

   α = Λ/Λ より、

   K =α2/(1-α)・v =Λ2-Λ)v

 これをオストワルド(Ostwald)の希釈律という。25℃で酢酸のΛは389(mho)である。