■第一章 目的と理論 ビクトル・マイヤー(Victor Meyer)法は、沸点の低い液体(常温で揮発性で高温で気体)の物質における分子量測定法の一つである。
この実験では、アセトンの分子量測定という課題で、ビクトル・マイヤー法を学習する。アセトンを入れるガラスの小球の作成が最も大切である。
この方法は、ガラスの小球に沸点の低い液体、アセトンやエーテル等を入れて、加熱された容器の中で破壊し、そのとき発生した蒸気量を測定して分子量を測定するものである。
液体の蒸発によって発生した蒸気量をガスビューレットで測定する。いま、大気圧P (mmHg)、温度T (K)でガスビューレットの測定量がv (cm3)であると、そのガスビューレット内の水蒸気圧はPwであり、その分圧はP-Pwとなる。標準状態での空気の量をV (cm3)とすると、
V = 273.15×v×(P-Pw)/760/T
となり、試料の液体の量をm (g)とすると、その分子量Mは、
M = 22412×m/V = 82.2×T×m×760/(v×(P-Pw))
上式から算出される。