■第一章 目的と理論
[目的]
水とベンゼン2層中における安息香酸の分配率Kを調べる。
水10ml中およびベンゼン10ml中に溶存している安息香酸の量をそれぞれHCl,NaOH逆滴定により求める。
溶存しているそれぞれの安息香酸の量の対数をとり、グラフを書き、切片、傾きより、K、nを求める。
(整数nは会合している度合を示すもの)
[理論]
2層の境界面を通って、ベンゼン層の安息香酸が水層へ移動する速度と水層の安息香酸がベンゼン層へ移動する速度が等しく分配平衡に達したときの系の状態と各成分の濃度を Fig−1 に示す。
Fig−1
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分配の法則:温度、圧力が一定のとき、2層にわかれた2成分に他の物質を溶かすと、2成分に溶解する濃度比は一定である。
K1:単分子安息香酸の分配係数
K2:安息香酸の会合反応の平衡定数
CB/CW2=2K12=K ・・・・(1)
n分子が会合している場合
CB/CWn=K ・・・・(2)
両辺の対数をとると
logCB=logK+nlogCW ・・・・(3)