■第二章 実験方法
[操作]
1)温度を室温で一定にする。
(今回使用した実験溶液は、すべてイオン交換水を用いたため留意しなくてもよい。19.9℃)
2)0.1[mol/dm3]の水酸化ナトリウム水溶液を500[cm3]調整し、その正確な濃度は塩酸標準溶液で滴定して決める。
塩酸標準溶液は炭酸水素ナトリウムを精評し、滴定により求める。
3)安息香酸0.5、1.0、1.5、および2.0[g]をそれぞれ別々の三角フラスコにいれ、さらに約60[cm3]のベンゼンをおのおのに加えて安息香酸を完全に溶かす。
各溶液から50[cm3]をピペットでとり、各々別々のケルダールフラスコに入れる。
各フラスコには安息香酸濃度の薄い順にNo.1−No.4の番号をつける。
(7.4MB)
Fig−2 操作
4)別々のケルダールフラスコに蒸留水50[cm3]を加えコルク栓をし、(ゴム栓を使用すると有機溶剤と反応するため使用不可)、室温で放置する。
5)約5分ごとにフラスコを強く振って2層を混ぜあわせる。この操作を7〜8回繰り返す。
6)最後に振り混ぜてから約5分間静置し、ベンゼン層と水層を完全に分離させた後、安全ピペットを用いて試料No.1のフラスコから水層をピペットで正確に10[cm3]分取し、それを水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。
同様に、No.2〜No.4の試料についても水層の分析を行う。
(3.8MB)
(9.1MB)
7)ベンゼン層の溶液を直接水酸化ナトリウムで滴定すると、液層が2層に分かれて不便であるから、ベンゼン層の分析は、逆滴定で行う。
No.1の試料では0.1[mol/dm3]水酸化ナトリウム水溶液15[cm3]を分液ロートに入れておき、それにフラスコNo.1のベンゼン層から分取した溶液10[cm3]を加えてよく振る。
つぎに、フェノールフタレイン指示薬を2、3滴加え、水層がアルカリ性であることを確認後、分液ロートから水層を三角フラスコに取り出す。
(9.6MB)
Fig−3 操作
8)分液ロートにはさらに約5[cm3]の蒸留水を加えてよく振ってベンゼン層を洗浄後、水層を7)の操作で分液した水層と合わせ、これを塩酸標準溶液で滴定する。
9)7)、8)の操作をNo.2〜No.4の試料についても行う。
このときあらかじめ、分液ロートに入れておく水酸化ナトリウム水溶液の量は、No.2,No.3,No.4についてそれぞれ、15[ml],25[ml],35[ml]とする。
(2.8MB)
(7.4MB)