■ 実験結果

ブランク実験

 硝酸ナトリウム溶液(0.1mol/l)中の水酸化ナトリウム(0.1mol/l)を硝酸標準溶液(0.02mol/l)で滴定する。

Table-1 ブランク実験

HNO3滴下量(ml)
HNO3のモル数(mmol)
pH
2
0.04
10.45
4
0.08
10.32
6
0.12
10.09
7
0.14
9.97
8
0.16
9.71
9
0.18
9.30
10
0.20
7.84
10.1
0.202
7.64
10.3
0.206
7.33
10.5
0.21
7.09
11
0.22
6.14
12
0.24
3.70
13
0.26
3.33
15
0.30
2.97

当量点=10.5ml

二酸化マンガンを加えての実験

 硝酸標準溶液(0.1mol/l)中の水酸化ナトリウム(0.1mol/l)を硝酸(0.02mol/l)で滴定する。

Table-2 二酸化マンガンを加えての実験

HNO3滴下量(ml)
HNO3のモル数(mmol)
pH
2
0.04
9.68
4
0.08
8.85
6
0.12
6.67
8
0.16
4.39
10
0.20
3.56
12
0.24
3.23
14
0.28
3.01
16
0.32
2.86

縦軸にpH、横軸に硝酸の量(mmol)をとりグラフを書く。そのグラフをFig-4に示す。

Fig-4滴定曲線

 Fig-4の両滴定曲線は、一点で交差することになる。

 赤(ブランク)の滴定曲線を基準にとり、同一pHで青(二酸化マンガンを加えたもの)の滴定曲線の硝酸の量(mmol)から赤の滴定曲線の硝酸の量(mmol)を差し引きΔx(mol)とすると

Δx=([≡M+]-[≡MO-])・m=σ・m

 ここで[≡M+]および[≡MO-]は二酸化マンガン1g当りの荷電サイト量(mol)を表わし、mは二酸化マンガン試料の質量(g)である。σは正味の比電荷(符号を含み[mmol-1]の単位をもつ。)とよぶことができる。Δxの値からσを計算しpHに対してプロットする。て滴定曲線の交点ではσ=0であり、このときのpHがゼロ電荷点(PZC)である。

m=3.335g

Table-3 pHとΔxとσの関係

pH
Δx(mmol)
σ(mmol/g)
10
0.126
0.0378
9.5
0.122
0.0366
9.0
0.112
0.0336
8.5
0.106
0.0318
8.0
0.100
0.0300
7.75
0.098
0.0294
7.5
0.096
0.0288
7.0
0.094
0.0282
6.5
0.094
0.0282
6.0
0.092
0.0276
5.5
0.088
0.0264
5.0
0.082
0.0246
4.5
0.074
0.0222
4.0
0.060
0.0180
3.5
0.042
0.0126
3.0
0.010
0.0030

pHとσとの関係をFig-5に示す。

Fig-5pHとσの関係

上のグラフよりσ=0の点のpH ゼロ電荷点(PZC)=2.90